GML Report vol.12
生活者の脱炭素への意識・行動変容を目指す、「おおさかで!減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」

2024年10月から12月にかけて、エコラベルやカーボンフットプリント(CFP)で生活者の脱炭素に配慮した購買行動を促す「おおさかで!減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」(※1)を開催しました。小学校における「脱炭素教育」支援と、店舗・アプリにおける「脱炭素商品の販促」を一気通貫で実施することで、生活者の買い物時の行動変容を促し、脱炭素商品の市場創出を目指す活動です。
前編「脱炭素の教育支援」となる本レポートでは、大阪府内の小学生を対象とした取り組みについてご紹介します。
エコラベルをきっかけに脱炭素に「触れる」
企業の製品やサービスが環境に配慮されたものであることを示す「エコラベル」や、原料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通じて排出される温室効果ガスを表示する「CFP」は、企業にとって自社の環境への取り組みを生活者に伝える重要なコミュニケーション手段ですが、生活者の認知を十分に得られていないことが課題となっています。
GMLでは、大阪府との連携協定(※2)を締結し、府内小学校等1,029校の4~6年生約21万人を対象に「教育・啓発活動」を行い、脱炭素商品に対する意識・行動変容に取り組みました。
小学校を通じて、楽しく学べる「エコラベル学習キット」を配布
エコラベル学習キット「緊急!減CO2ミッション第2弾 エコラベル研究所からの指令」では、エコラベル付き商品を調査するミッションを出題。環境配慮商品の選択が地球を守ることにつながると伝えるため、小学校を通じて配布されました。
ワークシートでは12種類のエコラベルを紹介。ワークシートに掲載されたエコラベルがついた商品を探して、商品名や見つけた場所を書き込みます。発見難易度の★マークを書き込む等、宝探し感覚で取り組めるよう工夫し、学習キットと連動してキャンペーンを開催した万代やスギ薬局で見つかることも紹介しました。店舗やアプリを通じたキャンペーン等の取り組みについては、後編でご紹介します。



エコラベル学習キット(一部抜粋)
エコラベル付き商品に触れて、クイズで学ぶ出前授業
府内4校の小学校では、エコラベル付き商品に触れて、学ぶ機会として、出前授業も実施しました。
10月28日、小学4年生188人を対象に実施した、吹田市立千里第二小学校での様子を紹介します。たくさんの児童がいる千里第二小学校では、約90名ずつ2回に分けて実施しました。

まずは、くらしの中で誰もが見たことのあるマークを紹介。児童からは「知ってるー!」と元気よく返事がありました。次にエコラベルを紹介すると、いくつかは見たことがあるようですが、やはり知らないマークも多いようです。今日はこれらのマークについて学ぶこと、最後にクイズを出題し、正解者にはお土産があることを伝えると、みんなメモの準備を始めます。
エコラベルの紹介とみんなが知っている商品にもエコラベルがついていることを伝えた後、学習キットを使って、商品を調査してもらいました。教室に並べた商品は、お菓子や日用品等、ほとんどがよく知っている商品。児童達は商品の裏側まで確認して「このお菓子好き!」「これはなんていう商品?」「こんなところにマークがあるよ」とスタッフ達ともお話しながら、学習キットに書き込んでいきました。


休憩を挟んだ後半戦は、チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC) 参加メーカーの取り組みを紹介。雪の宿を製造する三幸製菓株式会社からは、おせんべいを例にCFPやCO2を減らす取り組みを紹介しました。

最後は、振り返りクイズの時間です。エコラベルやCFPについての問題が出題され、みんな元気に答えてくれました。ニャートラルと一緒に集合写真を撮影し、お土産をもらって終了です。この日はテレビ局の取材も入り、授業の様子は「おおさかで!減CO2」の取り組みとして番組で紹介されました。
後日、児童達のレポートが届き、先生からは「出前授業後の給食で、牛乳にエコラベルが付いているのを発見した子がいて、とても盛り上がりました」という報告もいただきました。
こんな声をいただいています
児童たちから
自分でCO2をへらせると知って、エコラベルのついている商品を買ってゲンコツに協力しようと思いました。
エコラベルのレアなやつを集めてみたいです。
たくさんの企業がゲンコツ行動をしていることに気づきました!
先生から
温暖化や環境問題は授業で学ぶテーマであり、身近な商品に触れながら学べるプログラムは良い体験。子どもたちに様々なことを学んでもらえました。商品にこんなに多くのマークがあることを知らず、自身の学びにもなりました。
※一部抜粋して掲載
おうちや買い物でも家族と一緒にエコラベル探しにチャレンジし、“みんな”が脱炭素に興味を持って取り組むことを期待しています。
各学校での授業の様子



後編では、店舗・アプリでの販促および情報発信についてご紹介します。
- (※1)「エコラベル・カーボンフットプリントで生活者の脱炭素に配慮した購買行動を促す「おおさかで!減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」を開始~大阪府内小学校での「教育」支援と店舗・アプリでの「販促」を一気通貫で実施~」(2024年10月31日発表)
- 「おおさかで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」特設ウェブサイト(2024年度取り組みは終了)
- (※2)「『みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト』による府民の脱炭素行動変容に関する連携協定締結について」(2024年3月27日発表)