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力を合わせれば、暮らしの脱炭素は実現できる〜日本総研によるチャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム設立 & みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト立上発表会 レポート〜 第1部

日本も世界も、観測史上最も暑い夏となった2023年(※1)。気候変動で自然災害が激甚化したり、山火事が止まらなかったり…大きなニュースを前にすると、私たち1人ひとりの力はとても小さく感じます。しかし膨大な温室効果ガス、二酸化炭素のもとを辿れば、実はその約6割が私たち生活者によって排出されているのです(※2)。暮らしが変われば世界は変わる。暮らしの中でこそ、脱炭素は進められる。そんな熱い思いの企業と研究機関が、力を合わせることを宣言しました。9月5日、日本総研が「チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC)」の設立と、「みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」立ち上げを発表。ここにそのハイライトをお伝えします。

日時:
2023年9月5日(火)13:00〜17:00
場所:
City Lab Tokyo
構成:
第1部

チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム立ち上げの背景と概要

参加企業よりメッセージ

第2部

みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト

暮らしと脱炭素について、課題と取り組みトークセッション

CCNC参画企業の代表者による集合写真

第1部

前半は、日本総合研究所(以下、「日本総研」)代表取締役社長である谷崎勝教が、チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC)立ち上げの背景と概要を紹介。後半では、CCNC構想に参画する企業の代表者が登壇し、それぞれの思いを語りました。

日本総合研究所(以下、「日本総研」)代表取締役社長 谷崎勝教

生活者とともにグリーンな未来をつくるため、日本総研内にマーケティング・ラボ設立

谷崎日本総研の経営理念は、知識エンジニアリング活動を通じて、お客様や社会の新たな価値実現にパートナーとして貢献するというものです。2021年末にはシンクタンク・コンサルティング部門で、「次世代起点でありたい未来をつくる」という企業パーパスを策定しました。先行きが不透明な時代だからこそ、生活者・民間企業・行政を含む様々なステークホルダーと対話し、ともに新たな価値を紡いでいこうという思いを込めています。このパーパスを具現化するため、私たちは2023年度に「グリーン・マーケティング・ラボ(GML)」を設立しました。環境にかかわる社会課題に関して、グリーンな価値を生み出す企業と協働し、より多くの生活者と交流しながら解決策を探っていきます。

共創型実証実験となるチャレンジコンソーシアム(CCNC)の活動計画

暮らしの脱炭素をともに学び、実証実験し、市場を創出していく企業連合組織CCNC

谷崎このGMLのキックオフとなる取り組みが、「チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC)」です。活動の柱は、

  1. 脱炭素に関わる勉強会の実施
  2. 脱炭素に関わる生活者の理解を深めるための実証実験「みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」
  3. 脱炭素に関する情報発信ならびに啓発活動

の3本です。これらの活動を通して、生活者の脱炭素に関する行動変容を促し、脱炭素に配慮した商品の市場創出を目指していきます。また得られる知見を基に、政策によって生活者の脱炭素に関わる行動がどのように変化していくか、国や自治体に提言していきたいと考えています。

チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアムCCNC参加企業、団体

10社3大学で共創しながら、強い思いでこの活動を推進していきたい

谷崎今回CCNCに参画いただくのは、アスエネ(株)、アサヒグループジャパン(株)、サラヤ(株)、三幸製菓(株)、(株)スギ薬局、Daigasエナジー株式会社、日本ハム(株)、(株)万代、(株)ユーグレナ、日本総研を加えて10社になります。また、“仕掛学”を研究する大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏教授、マンガやキャラクターを研究する京都精華大学マンガ学部マンガ学科の辻田幸広教授、京都芸術大学芸術学部キャラクターデザイン学科の石鍋大輔准教授・川向正明非常勤講師とも協働します。
環境に配慮した商品のご提供や、売り場のご提供、カーボンフットプリントCFPの算出など、それぞれの知見やノウハウを投入していただいて、生活者が脱炭素に触れて学ぶ機会を創出し、実証実験を通じて、購買行動に関わるデータ分析を行っていきます。実り多い活動とするべく努力し、強い思いで、この活動を推進して参りたいと思います。

登壇した参加企業様からのメッセージ

Daigasエナジー株式会社 代表取締役社長 井上雅之様

Daigasエナジーは、大阪ガスの基盤会社として2020年4月に事業を開始しました。商業・学校・病院・製造業など業務用産業のお客様に寄り添い、エネルギーの枠を超えて多様なニーズにより高いレベルでお答えすることを目指しています。CCNCの志は私たちの掲げるミッションとまさに直結しているため参加を決めました。脱炭素社会の実現に意欲的に取り組むプロジェクトなので、大変ワクワクしています。具体的には脱炭素をテーマとした情報交換勉強会の企画運営などを行っていく予定で、皆様とともに社会に旋風を巻き起こしたいと思っています。

株式会社スギ薬局 取締役DX戦略本部 本部長兼 社長室室長 森永和也様

スギ薬局は、関東・中部・関西・北陸地方に約1,600店舗を展開しています。「スギ薬局アプリ」は約1,000万ダウンロードされ、お客様と直接つながっています。CCNCの取り組みにおいては、まず実証実験として関東・中部・関西でそれぞれ1店舗ずつ、パイロット版のような売場を作り、様々な商品をお客様の手に取っていただきます。アプリを通じて店舗に足を運んでもらえるよう直接情報発信をしたり、いろいろなご意見を集めたり、売場とデジタルツール両方から十分に役割を果たしていきたいです。

株式会社 万代 取締役 広報・IR・秘書・法務・管財部門担当 頓宮博様

今年で設立61年目となる万代は、大阪府を中心に関西圏で164店舗を有する地元密着型のスーパーマーケットです。CCNCに参画し、売場を提供することで脱炭素社会の実現に貢献したいと考えています。まず今年5月にオープンした高槻インター店を使って実証実験を行い、商品棚への興味のきっかけを提供する“仕掛学”や、アプリコンテンツを活用した取り組みなどで、集客への新たな取り組み手法を構築していきます。さらに、万代自身が取り組んできた脱炭素・省エネルギーに関わる知見を、進化させる良い機会になると思っています。

サラヤ株式会社 取締役コンシューマー事業本部 本部長 山田哲様

サラヤの代表的な商品は、手肌と環境にやさしい「ヤシの実洗剤」です。1971年には生分解性の洗剤しか使えない地域で初めて学校給食業務用として採用されました。私どもの調査では、SDGsや環境への関心が高い人は全人口の約4割にもなるのに、店頭でSDGsや環境に関わる情報や商品に出会えている人は1割しかいないということがわかり、問題だと考えていたため、CCNCによって、様々な業種を跨いで情報発信ができるのではないかと参画を決めました。環境や脱炭素への意識が上がるよう、サラヤができることをしっかりやっていきたいです。

三幸製菓株式会社 取締役 管理本部長 秦野勝義様

三幸製菓は、今年創業61年目を迎えました。新潟に本社と三つの製造拠点、全国に営業所を持ち、お煎餅・あられ・おかきといった米菓、かりんとうなど焼き菓子を製造販売しています。中期経営計画策定にあたって、本業を通じて社会に対して何か貢献できないかと社内で真剣に議論を重ね、CCNCには共感する部分が非常に多く参画させていただきました。脱炭素の取り組みに、何か直接的に関わりたいけれど機会がないという消費者様に対して、三幸製菓の商品を通じて、身近なものからアクションに繋げられることを実感していただきたいです。

日本ハム株式会社 加工事業本部 マーケティング統括部 ブランド戦略室長 兼 マーケティング部長 長田昌之様

日本ハムグループは、「ビジョン2030 タンパク質をもっと自由に」というテーマで、5つの重要課題を設定していて、中でも持続可能な社会に向けた取り組みに力を入れたいとCCNCに参画しました。2年前に、私たちは約30年間売場で固定されていたパッケージを打ち破り、「シャウエッセン」の巾着の頭部分を切り取ったところ、年間248tのプラ削減に繋がりました。CCNCを通して参加企業と一緒に売場を作り、お客様の脱炭素への理解を深めていくことで、ぜひ硬直した売場を変えて、一歩でも前に脱炭素の取り組みを進めていきたいです。